子どもが「育つ力」を信じて、日々の子育てを楽しんでいるファーミング・ベアこと、農家のベアくん。友人の都市りすくんには最近子どもが誕生しました。赤ちゃんとの暮らしは楽しいけれど、子育ての悩みと不安は増える一方のりすくん。今日は3人の子どもを育てるベアくんに子育ての相談をしにきました。(前回のお話はこちらから

登場人物

赤ちゃんって食事から睡眠まで何もかも大人と違うよね。正解がわからないから、他の家庭の子育て方法や赤ちゃんの成長と比べて不安になることがたくさんあるよ。

何が本当に子どものためになるか、わからないもんね。わたしは生き物の成長は個性があって当然、と思えるようになってから少し楽な気持ちで子育てできるようになったよ。

どうしてそう思えるようになったの?

野菜の成長を見て学んだんだ。うちの畑で育つ野菜たちはとってもおいしいけど、成長スピードや大きさはみんな違う。成長の違いを尊重してあげることが、おいしさの充実に繋がっているんだよ。

おいしい野菜は自然の恵がたっぷり

ベアくんは前に、自然に近い状態で育った野菜ほどおいしいと言っていたね。成長の違いを尊重することも関係してるの?

そのとおり。自然に委ねると野菜の育ち方に個性が出るんだ。なぜなら、野菜は微生物を含むたくさんの生き物たちの存在や、天候、気温など数え切れない自然の条件が重なりあってできているからね。

例えば栄養や水分の量の僅かな違いで根の伸ばし方は変わるし、日当たりの差は葉の大きさや枚数を変える。隣りあう自然は影響しあうから、近くに生える雑草や虫の活動さえ野菜の成長に関係しているんだよ。

ぼくたちが普段意識していない小さなことが野菜の成長に関係しているんだね。

野菜は自然の中にある栄養を人が食べられる形に変えてくれる存在だから、自然の循環の小さな積み重ねこそ、おいしさの秘訣だと思うんだ。育ち方が違えば当然食べごろだって違う。一つひとつの成長を確認しながらの収穫はとても時間がかかるし大変だけど、それがおいしさに繋がると知っているから、違いも愛しく感じるよ。

「揃う」ってどういうこと?

ベアくんは手作業で収穫するんだね。機械を使うのが普通だと思っていたよ。

機械で収穫するためには、成長スピードや大きさを揃えて育てなければいけないからね。農業はたくさんの人に食べものを効率よく届けるように発展してきたから成長を揃える技術もできたけど、それはおいしい育て方と相反することもあるんだ。

え、揃えることを重視したらおいしくならないの?

成長を揃えるには、土中の条件の差異を無くすために化学肥料をたくさん使うことがあるんだ。そうすることで、どの野菜の周りにも同じくらい濃い栄養があることになるから、野菜は生き残るための工夫をしないですみ、成長スピードや大きさがおおよそ揃うことになる。つまり肥料を吸収して育つことになるんだけど、野菜の味は根っこから吸収するもので決まるから、どうしても肥料の影響を強く受けた味になるんだ。

濃すぎる栄養はそれぞれの個性を目立たなくしてしまうんだね。

成長のタイミングも速さもそれぞれ

だから、わたしは子どもも個性を尊重して育てたい。何事も大人が決めたタイミングで教えず、子どもが自分で学べるようにじっくり成長を見守るようにしているんだ。実際、長女は言葉を発するのが周りの子よりずっと遅かった。でも、やっと単語を発し始めたと思ったらすぐに文を使って会話に参加したりして、大人は予想以上の成長に驚かされたよ。

子どもの力で、大人の予想を超えるのっていいなぁ。

小学生になった長女は、今や我が家で一番お喋りで本を読むのも大好きだよ。きっと長女本人が必要に感じたタイミングで言葉を理解したから、心の底から言葉の世界を楽しめるようになったんじゃないかなと思うんだ。

自分で「必要だ」と感じられた時がその子にとって一番の成長期なんじゃないかな。周りとの成長の違いは個性を大切にするチャンスと考えると、少し気持ちが楽になるかもしれないよ。

◎食育通信のテーマ募集します

「成長にも個性があって当然」と頭ではわかっていたけど、ベアくんと話ができてちょっと安心したなぁ。

大切に育てたいからこそ、不安はつきものだよね。子育て仲間のわたしたちに聞きたいことや相談したいことがあったら、ぜひハッシュタグ #教えてベアくん をつけてSNSで教えてね。