このマガジンは「畑のそばに生きる様々な人」と「その暮らし」の紹介を通じて、皆さんと一緒に生き方の選択肢を再発掘していくメディアです。

初めまして。今回から畑の伝道師としてコラムの連載をさせていただくことになった株式会社美溢る(びあふる)代表の渡部有未菜(わたなべゆみな)です。私は現在、物語から生まれるクラフトビール「BEERful」というブランドの商品を企画開発、オンラインショップでの販売をしています。

商品に使用している副原料は、主に規格外の果物や食用花がメインで今後は規格外の野菜やハーブにも挑戦していけたらと考えています。

そんな私についてもっと詳しく知りたいという方は来週配信予定のインタビュー記事をご覧ください。

さて、“畑のそばの、豊かな暮らし発掘メディア「ハタケト」”での記念すべき1本目のコラムということでタイトルにもあるように「豊かに生きる」ために意識している習慣を紹介します。

初めての高級レストランで覚えた違和感と、母から届いた地元野菜の安心感についてのお話です。

期待はずれだった、初めての高級フレンチ体験

6年前の春、上京して初めて入ったおしゃれなレストラン。

飲食店の経営を学ぶために入学した専門学校で「美味しい物をたくさん食べて、学びなさい」という先生のアドバイスを素直に受け止め、私が選んだのは某グルメサイトで高評価のフレンチレストラン。

当時、学生だった私にとってランチと言えども一食1万円もするフルコース、おしゃれな内装、一定の距離を保ちつつ見守るサービスマンの存在は敷居が高く、緊張感張り詰める体験だった。

前菜を一口食べて感じた「違和感」はメイン、パスタ、デザートと食べ進めるに連れて肥大化していく。

「想像していたより、感動がない味….。」

18歳そこそこの小娘が、1人でフレンチを食べながら顔をしかめていたことが気になったのか近くにいたサービスマンの男性が「いかがなされましたか?」と声をかけてきた。

「思っていたより美味しいと感じなかった。」なんてことは言えず、「初めて1人でフレンチのお店に入ったので緊張してしまって。」と言葉を濁してしまう。

お会計を済ませながら「このお店に訪れることはもう二度とないだろうな…」と初めてのお1人さまフレンチ体験は、ネガティブな印象で幕を閉じたのだった。

心を動かす地元で獲れた野菜の味

その日の夜は、節約も兼ねて実家から届いた獲れたての野菜を塩茹でしてそのままかぶりついた。

「ああ、美味しい…。」

ダンボールにわずかに残った土の香り、素材の自然な甘さと、新鮮な野菜の食感。実家の畑に実った野菜を思い浮かべたら、涙が止まらなくなった。

どれほど高価で貴重な食材や料理人さんの高度な技術よりも、生まれ育った土地で作られた野菜や果物本来の味が「心を動かす味」なんだと初めて気づいた瞬間。

心の栄養補給で「持続可能な豊かさ」を

その「気づき」を得てから6年。今でも「美味しい」を知るため評判の良い飲食店に赴き、食べ歩いている。

けれども、私自身の原点といえる実家の畑で獲れた農産物を食生活の一部として取り入れることは決して欠かすことができない。

幼い頃から食べ続けた農作物はその土地の土や水、環境が作り出した唯一無二の創造物である。

その「原点の味」を定期的に感じることで、数値には表せない心の栄養を補給し「豊かさ」を持続させているのだ。

もし、このコラムを読んでくださっている方の中で「豊かに生きる」ために大切にしている習慣があるという方がいらっしゃいましたらツイッターやフェイスブックなどのSNSにて#ハタケトをつけて、この記事と共にコメントを添えて教えてください。

次回も農家の娘として育った私が都会で消耗せず「豊かに生きる」ために大切にしている習慣を紹介したいと思います。

では、今月も豊かな畑ライフを。