子どもが「育つ力」を信じて日々の子育てを楽しんでいるファーミング・ベアこと、農家のベアくん。友人の都市りすくんは、ベアくんの考えに共感し、もうすぐ始まる自分の子育てに向けて準備中です。子どものためだけではなく、自分たちのためにも食べ物を上手に選びたいりすくんは、野菜の選び方をベアくんに教えてもらうことにしました。(前回のお話はこちら

登場人物

ベアくん、今日は野菜を選ぶときのポイントを教えてくれる?

旬の野菜を選ぶことがおすすめだよ。

旬かぁ。よく聞くけど、なぜ旬が大事なのかはいまいち分からないんだよね。詳しく教えて!

旬の野菜は健康的でもある

旬は、野菜が一番おいしい時期、と考えるといいと思うよ。成長に適した時期に育った野菜は、色々な栄養が詰まっているからとってもおいしいんだ。

同じ野菜でも時期によって味と栄養が違うの?

そのとおり!野菜の中身は育て方で変わるんだ。以前、健康的に育った野菜はおいしいという話をしたことがあったけれど、健康的に育てるためには旬の時期に収穫できるよう適切な時期に育てることもとても大切なんだよ。

わたしが大根を育てた時の経験を話すね。ある年、「早く大根を食べたいな」と思って少し早い時期にタネを蒔いたことがあったんだけど、殺虫剤を使いたくなるような勢いで虫に食べられてしまったんだ。同じ年、適した時期にタネを蒔いた分は虫の被害に遭うことなくすくすく育ってくれたんだよ。

何が違ったんだろう?

早くタネを蒔いたときは、まだ大根が自ら育つことができる環境が整っていなかったんだと思うんだ。虫たちが活動できるくらい暖かいということは、虫だけではなく土中の微生物たちも活動していて、食物連鎖の中で土に栄養が蓄えられている最中でもある。寒くなって虫たちの活動が鈍くなった頃に大根のタネを蒔けば、芽が食べられることは減るし、土にはたっぷり栄養が蓄えられている。それが大根の成長に適した時期であり、そうして健康的に育った大根の収穫時期が旬なんだ。

旬は自然の循環の中にあるんだね!

どうしたら旬の野菜に出会える?

でも、何でスーパーには一年中色々な野菜があるんだろう?

それはね、高度経済成長期に全国規模で生産と流通の仕組みが整えられたからだよ。人口が都市に集中し始めたから、各地で育てた野菜をまず都市部に集めてから人口に応じて再分配するようになったんだ。同じ野菜は一度にたくさん出荷した方が効率的だから、それぞれの地域で「産地」として栽培する野菜や時期を戦略的に選択するようになる。そのうちに、他と違う野菜を作った方が高く販売できることもあって、旬をずらして栽培する生産者も増え出したんだ。

それで、いつでも色々な野菜を買えるようになったのか!

旬からずらすということは、野菜が自らの力で成長しにくい時期に育てるということ。自然の循環を待たず、それでも販売できる品質にするためにハウス栽培や農薬などさまざまな知恵や工夫も生まれたんだよ。

なるほど。ぼくたちの暮らしを便利にすることと、環境負荷や健康への不安の両方が進んだんだね。

旬の野菜をおすすめしたい理由のひとつに、安心さもあるよ。農薬などをほとんど使わないで栽培することは、旬を考慮しないと成り立たないんだ。そういう意味では有機栽培や自然栽培は旬の野菜に出会う目印にもなるね。全ての野菜に栽培方法が明記されている訳ではないけど、旬の野菜はスーパーでも特にたくさん置いてあって、お財布に優しいことも多いよ。

旬を味わう豊かさ

旬の野菜を選ぶということは、季節に同じ野菜をたくさん食べるということだよね。飽きたりしないかな?

毎日食べたいものを選べるのは便利でありがたいけど、期間限定だから大切に食べようと思うことも、旬の野菜の醍醐味だと思っているよ。わたしは「そろそろブロッコリー食べたいなぁ」と冬を楽しみにしたり、「また来年も食べたいなぁ」と大切に噛み締めたりしながら季節の食卓を楽しんでいるんだ。

季節が限られていると大事に味わいたくなる気持ち、わかるよ!

それから、料理が苦手な人にこそ旬の野菜をおすすめしたいね。旬はその野菜の旨みが一番ある時期でもあるから、焼く・炒める・煮るなどのシンプルな調理だけで十分おいしいし、塩胡椒や醤油をつけたらもうご馳走さ。例えばステーキにするだけでも、レンコンや茄子など、季節によって野菜が変われば違う料理になるから献立の幅が広がるよ。

視点を変えるとそんなふうに楽しめるんだね。

野菜の選び方ひとつで、日々の食卓に新たな楽しみが生まれるかもしれないよ。ぜひ旬の野菜を意識してみてね。

都市りすのひとこと

野菜を一番おいしく、安心していただけるのが旬なんだね!いま旬のお野菜は何だろう?お買い物の楽しみが増えたな。

次回は小麦粉を使った簡単なお菓子の作り方を紹介します、お楽しみに!