※畑のそばの、豊かな暮らし発掘メディア「ハタケト」は、2022年9月1日より愛食メディア「aiyueyo」にリニューアルしました。

岐阜県中津川(なかつがわ)市の写真家百姓で、Koike lab.代表の小池菜摘(こいけ なつみ)です。畑の魅力伝道師の中では現在唯一の農家。畑に生かされている人間として、なにをお伝えできるかなぁ、なんてずっと考えながら、今日もいのちを愛でています。

ハタケト 、今。

雨のタイミングはいつだって悪いけど、今の日本の梅雨は5月末だ。
今年は全国的に梅雨が早い、だなんて騒がれていたけれど、ここ何年もずっとそうなのだ。
そして6月はダラダラとパラパラと雨が降る。
雨が降ってももう雨合羽を着て畑に出る。雨で休んでたら畑が雑草だらけになってしまうから。

(晴れ間は癒し)

「暮らしの多くの時間を自分の役割につかう」、とあべなるみさんに言われて気がついた。
わたしは通常、とても多くの時間で「仕事」していて、それは暮らしていることと同義で、それこそが百姓であるという誇りでもあるけれど、それについて多くを考える間も無く手を動かし続けている事実があった。
求められた役割をこなしている、中でも自分で選択したことはやろう、と決めているだけなんだけれど。

毎日毎週「今日が人生でいちばん働いた!!!」と言って眠りにつく。
それが大きく更新されていっている最中で、結構どこまでもやれてしまうんじゃないかと思う時すらある。

しかしながら元々、わたしは常に全力で生きているタイプで、その時々に一生懸命で100%なのだ。
そうして何度も空回りして、オーバーワークして、そして疲れてすべてを捨ててしまってきていたはずなのに、今は無敵状態になった。
と、思っているのには理由がある。

とても効率的な休み方を覚えたのだ。

(2021年6月の定点観測。この景色だってわたしを癒しているわけだけれど)

自分をご機嫌にする趣味

色々なひとから「休んでる!?」と聞かれてしまうぐらいには、色々なところにいて何かをしているわたしだけれど、正直結構休んでいる。
少し前まで、1週間のうち日曜日の午後だけが休日で、あとは何かしらしていたけれど、今は土日祝にしようと思えば休めるぐらいにはチームが育ってきているし、仮にそうでなくても、わたしにとってアウトドアはなくてはならない趣味だ。

1年分のキャンプの予定を決めていて、チームにもその日程は音信不通になると伝え、農繁期の4・9・12月を除いて毎月2泊3日を嗜んでいる。

(1991年の写真。赤い水着がわたし)

ちいさい頃から休日=アウトドアで過ごすことが楽しかった。
父や母もその役割から一旦離れ、普段絶対に料理しない父が食事の準備をしてくれたり、普段絶対にその姿を見せない母がダラダラとしていたり、各々にその時間を気ままに過ごしているのを見るのが好きだった。

そのキャンプスタイルを踏襲して、普段料理をしないわたしが何時間もかけて何かをつくったり、ひたすら塗り絵をして遊ぶムスメを眺めたり、たいてい雨に降られるのでビチョビチョになるのを許容してみたり。無意味に真剣な顔で詰将棋をする夫を訳わからんとディスってみたりしている。
スマホの電源は切ったりきらなかったり。離れたいと思えば離れるし、しばらくSNSを閲覧できてないぐらい慌ただしかった後は逆にのんびり遡って眺めてみたりしている。

自由で、気ままな時間を2泊3日、たっぷり過ごすのだ。

(台風キャンプはたいへんにたいへんだった、オススメしない)

大学生までは家族と。社会人になってすぐ付き合った夫とはバイクツーリングがてらのミニマムキャンプを楽しんだ。
そして、ムスメが産まれてすぐに親友一家のところにも同い年の子がうまれたことで、その嗜みは加速した。

(劇的にゆるくて最高に楽な家族付き合い)
(ちゃんまるところぴ。同じ学年だけど大きめと小さめちゃんで性格も真逆。めちゃくちゃ面白い)

アウトドアのいいところは自然と密接しながら、非日常的に時間を持て余しながら贅沢に過ごせることだと思う。
何よりも食事はその地のものや、家から持参した子たちを合わせて、いくらでも時間をかけてつくり、好きで食べたいものだけを食べればいい。

(ごはんと具沢山の味噌汁で済ませるのもまた一興)
(ピザを生地から焼くことだってできる)

天気はいつだって思い通りにならないし、こどもたちが何をやらかすかなんて、どっちかっていうと楽しみだ。
きゅっとなったココロをガバッと開いて過ごすには、ちょうどいい環境なのだ。

(普段絶対撮らない写真を撮ってみたり)
(成長をつぶさに眺めてみたりする)

1泊ではちょっと慌ただしいから、2泊3日。
多分それはアウトドアでなくても良くて、自分が好きな環境に身を置くことがたいせつ。
月にたった3日の休みを、ちゃんと自分のための、自分が心から欲しいと思える環境の中に身を置いて過ごすことで、自分が一生ご機嫌でいられるのなら安いもの。


心の底から笑えなくなる前に、休んじゃえばいい。
めいっぱいね。

ライター/小池菜摘

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