子どもが「育つ力」を信じて、日々の子育てを楽しんでいるファーミング・ベアこと、農家のベアくん。友人の都市りすくんは、ベアくんの考えに共感し、もうすぐ始まる自分の子育てに向けて準備中です。今日は、子どものためだけではなく、りすくん自身のためにも、食べ物の選び方について、ベアくんに相談に行きました。(前回の内容はこちらから)

登場人物

味覚は変わる

ベアくん、わたしには食べたいものがたくさんありすぎて選ぶのが大変なんだ。どうしたら無理なく選べるかな?

わかるよ、世の中には魅力的な食べ物がたくさんあるからね。我慢するのが辛くならないように、体に必要なものをおいしいと感じる味覚をつくることをおすすめするよ。

え、味覚って大人になっても変えられるの!?

そうさ。実際にわたしの味覚も大人になってから変わったんだよ。

今より15kgも太っていた時期があってね。自分でも「体に悪い」と思うほど甘いものと油っぽいものが大好きで、頻繁に胃腸炎にもなっていたんだよ。子どもが生まれる頃に、お医者さんからこのままでは病気になると注意されて慌てて食べるものを変えたんだ。

そうしたら体重が落ちただけでなく、おいしいと思うものが変わってね!おかげで、今はおいしいと思うものを食べるだけで、健康を維持できるようになったんだよ。

えー、それは羨ましいな!詳しく教えて!

体に必要なものをおいしいと感じる味覚をつくる

そもそも味覚の役割は食べ物を識別することだよね。例えば、糖分は体を動かすために必要なエネルギーだから、食べたくなるように「おいしい」と感じるし、腐ったものなど、体にとって毒になるものは食べないように「おいしくない」と感じる。味覚は体に必要なものをおいしいと感じるようにできているんだ。

ほえ〜!味覚は体を守ってくれているんだね。

ところが、今はおいしいと感じる味付けを人工的につくれるようになったから、味覚が本来の力を発揮しにくくなっているんだ。

味覚が人工的な味に慣れて本来の力を発揮できなくなると、摂らなきゃいけない栄養が不足したり、逆に栄養を過剰に摂ってしまうことが起こって、体のバランスを崩しやすくなるんだよ。

太っていた頃のわたしの経験では、人工的な味付けはハッキリしてわかりやすいけど深みがないから、満足感を得るためにたくさん食べたくなるんだ。たくさん食べているうちに味覚が人工的な味付けを好むようになるから、「体に悪い」と思うものでもやめられなくてね。気づけば「体に悪い」と思うものばかり食べて不健康な体になっていたよ。

やめたいと思っていてもやめられないの、わかるなぁ。

食欲は簡単にコントロールできないよね。だからわたしは「体に悪い」と思うものを食べない代わりに、畑でつくった野菜でお腹を満たすことにしたんだ。

たくさん野菜を食べているうちに、自然の中で育った食べ物には色々な栄養があるだけではなく、素材の味そのものに深みがあると気がついたんだよ。噛めば噛むほど「おいしいなぁ〜」って感じて、体の内側からじんわり満たされるんだ。

体重が落ちたころには、「体に悪い」と思うものではなく、素材の味を感じる食べ物を好むようになっていて驚いたよ!

ほえ〜!味覚は食べ物の好みと密接につながってるんだね!

そのとおり!色々な栄養を摂って元気な体になれたら、その体を維持するために、栄養があるものをおいしく感じられるようになったんだよ。味覚はまるで、自分が食べたものでできてるみたいだよね。

まずは一番気になることだけやめてみよう

でも、いつも食べていたものをやめるのって辛そうだなぁ。ベアくんはどんな工夫をしたの?

自分が無理なく守れる約束を決めたんだ。

わたしの場合、甘い缶コーヒーとコンビニの揚げ物を頻繁に買って食べてしまうことを一番やめたかったから、「自動販売機ではブラックコーヒーを買うこと」「コンビニには行かないこと」のふたつだけ自分と約束したんだ。だから、レストランなどで食事をするときは、甘いものも揚げ物も、好きに食べていたよ。

一度に全部やめるのではなく、少しだけやめてみたんだね!それならわたしも始められそう!

誘惑と戦って辛くならないように、誘惑の一歩手前で約束を決めたのがよかったかな。いつも食べていたものでも、やめてみたら意外に辛くなくて、それほど体に必要ではなかったんだなと気がついたよ。

りすくんも「体に悪い」と思いながら食べているものがあったら、まずは少しだけやめてみると何か気づきがあるかもしれないね。

都市リスのひとこと

体が必要な食べ物をおいしいと感じられるようになったら最高だよね!!「体に悪い」と思いながらもついつい食べちゃうもの、たくさん心当たりがあるなぁ。わたしもまずはひとつだけ、自分と小さな約束を決めてみよう!


変わるのは少しずつでいいと知れて、明るい気持ちになれたりすくん。味覚が変化したらどんな新しい気づきに出会えるか、楽しみですね。