こんにちは、食や環境などをテーマにライターをしている、やなぎさわまどかです。テクノロジーのおかげで自宅にいながらできることが増え、ありがたいなぁと思うことが多い日々です。ただ残念ながら、画面からは匂いも温度も風も感じることができません。便利さに感謝する一方で、「いのち」というものについて考えることが増えました。

幸せを享受するために食に求めることとは

前回「ハレとケ」について書いたのですが、公開されたコラムを自分で読みながら、ケの食が充実することで得る幸せのひとつは、自分の居場所を感じることかもしれない、と思いました。地元産や身近な食材、または顔の見える野菜などは、地球の反対側の国から運ばれて来た食材や加工品よりも新鮮だったり、親しみもあるので、それ故に生命力みたいなものがあるんです。
それは、数値で測れるものでも、単位があるものでもないので、私が勝手に感じてるだけかもしれませんが、おそらく今これを読んでくださっているハタケト読者の方には共感してもらえるのではないかと、やや甘えた気持ちで書いております。

食材だけに限らず、調理された後の料理から醸し出す「空気」というか「波長」というか「バイブス」というか、呼び名はさておきその正体は何かしらの「いのち」みたいなものなんだろうと思う、それが充足感となってお腹に落ちていくのが幸せで仕方がないんだと自己分析しました。

どうやら食に「いのち」を求めている私ですが、家庭菜園の野菜が少なくなる時期や、忙しくて加工品を使いまくったりするときなど、もう少し「いのち」を感じるものを求めてよくスプラウトをつくっています。

(キッチンの超ちいさなマイクロ家庭菜園)

スプラウト、つくったことありますか?

スプラウトは、タネが発芽した新芽のことです。昔からカイワレ大根はスーパーでも定番ですし、あと、中華料理でおなじみの豆苗も、食べた後にまた再生させるのが一般的になりましたよね。

新芽はこれから野菜や豆へと成長するためのエネルギーに満ちているので栄養豊富、しかも水だけで育つので、キッチンの片隅で数日間お世話すれば食べられるという便利品です。根菜が多い秋にちょっとフレッシュな要素を出してくれたり、パンに挟んだり、お弁当に添えたりと、とにかく活かし方は無限にあるので、もしもまだスプラウトにチャレンジされたことがなければ超絶オススメ。タネから育てると、タネについて考えるきっかけにもなりますよ。

(せっかくなので消毒などがされたタネではなく、有機認証のタネや豆を買ったり、自家採種したタネを使うのがお勧めです。スプラウトはコスパもいい)

スプライトに向いてる野菜はたくさんあるのですが、個人的によく使っているのは、ルッコラマスタードなどのピリ辛系、カイワレになるラディッシュ赤キャベツブロッコリー、それと、大きくなったらもやしになる緑豆がお気に入りです。

育て方は種類によって2タイプあって、カイワレ系のまっすぐ揃って育つタイプと、芽が自由にわさわさ育つタイプ。いずれにしても水だけなので本当に手軽です。ウチでいつもやってる育て方をご紹介しましょう。

まずカイワレ系にまっすぐ育つタイプ。

キッチンペーパーなどを保存容器の底に敷いてベッドにして、霧吹きで湿らせて、タネを重ならないようにまきます。これは以前、水耕栽培の方に教えていただいた方法なのですが、しっかりとタネに水分が浸透させるために、まいたタネの上に、薄くした(2枚重ねのうち1枚だけの)トイレットペーパーを被せて、さらに霧吹きで湿らすという方法、これでだいたい失敗なく発芽してくれます。

(これはブロッコリースプラウト。無漂白のペーパーを使ってます)

しっかり湿らせたらダンボールなど遮光性のある箱をかぶせるなどして、光を遮断しながら数日間育てます。朝夕など1日に1〜2回は中の様子を見て、適度に湿ってる状態を保ちながら長さが3〜4cmまで育てます。そのあとは箱をとって日に当てながら育てると、白くてひょろっとしていた芽がばーんとグリーンに成長してくれるんです。

(今ウチはいただきものの、裏側が黒いタイプのホイルがたくさんあるのでそれを蓋にしてますが、光を遮るものならなんでも大丈夫)

とにかく毎日きれいなお水にタネの下半分くらいが浸かってれば1〜2日で発芽し、3〜4日で光を当て始めて、7〜10日目には食べてます。
最近はスプラウト用のタネとセットになった栽培キットみたいのも販売されてますね。わたしも少し前にご縁のあった容器で今ちょうど、赤キャベツのスプラウトを育てています。

(こちら新しい容器。小さなタネも落とさない小さな目の網は便利だけど、でもこれ、タネだけ湿らせたい割に下の器の容量がちょっと大きすぎるかも…すごい水を消費する気がするんですけど、同じの使ってる人がいたらいい方法を教えてください笑

もうひとつ、芽がわさわさと育つタイプ。

こちらはもっと簡単で、お勧めはインドカレーなどでムング豆と呼ばれることもある緑豆です。ボウルでよく洗ったら、湿ったままの緑豆をボウルとサイズの合うザルに上げて、ほこりや虫が入らないようにフタをして(夏場だったら冷蔵庫で)一晩寝かせます。

(きれいに洗ったらザルにあげて一晩)

翌日には、ほんの少し発芽状態になっていると思います。発芽は温度とタネの鮮度にもよるので、もしも寒すぎたり、豆が少し古い場合はもう一度1回水を通してザルにあげて、蓋をして寝かせておきます。

(新鮮な豆だと一晩で発芽します。かわいいよね)

そのあとは1日に1〜2回、同じように全体に水を通してからザルにあげて置いておくだけ。3〜4日くらいでモシャモシャし出したら食べ頃です。
ちなみにこの後もどんどん伸びていくので、遮光状態で根が張るように育てると、一週間〜10日間ほどでおなじみの豆もやしを育てることもできます。

(フレッシュさがあり、食味もシャキシャキしてるので私はこのくらいで食べるのが好きです)

緑豆スプラウトは、ツナや鯖缶とマヨネーズで合えるだけで無限に食べられるお惣菜になるし、具材が少ないときのお味噌汁に入れてもいいし、ほんのりした甘みと合うので、だし巻き卵に混ぜ込んだり、ポテトサラダに入れたり、カレーに入れたりと、思いつきで色々やってみるのが好きです。

食や料理に何を求めるかはそれぞれですが、静かながらに生き生きとした「いのち」を、なんてことない日常にいただけるって、実はとっても豊かで贅沢だと思います。
きれいなお店でプロが作ってくれた完璧なハレの食も最高に幸せですが、ケの食は、幸せを自主的に作り出す余白が残されてるんですね。