※畑のそばの、豊かな暮らし発掘メディア「ハタケト」は、2022年9月1日より愛食メディア「aiyueyo」にリニューアルしました。

みなさんこんにちは。

野菜を愛しすぎて、1代目女八百屋をしています、寺田賀代后です。

涼しくなり過ごしやすくなりましたね。

さて、わたしは八百屋がスタートしてすぐに出産、シングルマザーになったので

(このあたりの詳細は文末ハタケトインタビュー記事をご覧ください。)

「一体どうしていたの?!」と聞かれることも多くあります。

ボロ車と5万円だけを握りしめ、息子を抱えての創業。

そりゃ、質問したくもなりますよね(笑)。

今回お話するのはそんなどん底の時代から、再婚、第二子の妊娠というハッピーな今に至るまで、一貫して自分の支えになってくれている「自立」の感覚についてです。

あなたは、あなたの人生のたずなを確かに握っていますか?

わたしは息子の父親。息子はわたしの営業部長。ふつうとは違う家族の形がくれた自立心

わたしは元々仕事に生きようと思っていたので、子どもを産むという選択肢が無かったのですが、今は宝物である息子が自分の人生の一部にいます。

とはいえ、0から立ち上げる創業期に息子の育児。

その時はやはり人生のどん底、わたしの中のアンラッキー時代です。

その中で光を見出せたのは、家族の絆が強かったから。

何があっても裏切らない近くにいる親の存在が大きく、息子を保育園に預けることができるまでは、母がずっと息子の面倒を見て、わたしの仕事も手伝ってくれていました。

もはやこれはわたしが自営業の夫がで母が献身的な嫁というバランスです。

仕事では、わたしが自営業という強みから、息子も一緒に出勤することも多々ありました。

息子は訪問先の農家さんから可愛がられ、心の距離をググッと詰めてくれたり、今でもお世話になっている飲食店さんは息子と一緒に頑張っていることを理由のひとつに野菜を納品させてくれたりしました。

この子がいるから、八百屋が回ったんです。

そのため、わたしはずっとその時から息子のことを「営業部長」と呼んでいます。

もちろん最初から、ふつうとは違うあり方を割り切れたわけではありません。自分は息子の父親であり母親でないといけないと頭にずっとあって、父親として息子を育てるお金を持って帰ってくること、母親としてそばにいて愛を与えること、その全部ができていなくて苦しんだこともありました。

また、今自分が死んだら何も残してあげられない状態に毎日不安を感じていました。

しかし、そこから根性で徐々に利益を伸ばし、もし自分が死んだ時にも母と息子がお金で困らることのないように生命保険に加入し、少なくとも父親としての役割を務められるようになってくると、自分のやりたいことを責任をもちながらも楽しむ、また逆も然りで責任のあることも楽しんで取り組む、主体的な感覚、「自立心」を持ち始めることができました。

女で居続けることをやめる必要なんてない

と、ここまで「父親」としての自分について触れてきましたが、これは決して「女を捨てる」という意味ではありません。むしろわたしは人生でパートナーがいることは必要不可欠と考えているので、1度目の結婚で「もう恋愛は懲り懲り!!!」なんて考え方になったことは微塵もなく、「さぁ次わたしは誰と恋愛しようかぁ♪」ぐらいに思ってました。

シングルマザーになった時点から恋愛をすることを諦めたことはなかったです。

時間に限りはありましたが、だからといって恋愛の”省エネ”もまるでしませんでした。めっちゃ好きになってことごとく嫌いになった人もいれば、お付き合いしてミスったなーとか思う人も。何歳になっても相変わらずの馬鹿っぷりも披露しましたが、それがわたしに必要なことだったから、我慢する必要なんてないって思うんです。

わたしが息子と2人で外出するといったら、畑や仕入れ先に連れて行くということばかりだったのでその時のパートナーと3人で思い出を作ることは、自分にとっても息子にとっても心の充実に繋がっていました。

消防車やパトカーが大好きな息子。余裕のない私ならこんな風に立ち止まって横で一緒に見てあげることなんてできなかったと思う。

息子は今年で4歳。

今わたしは新しいパートナーと出会い、その方との間に第二子を授かりました。

仕事と育児はもちろん継続するのですが、また全く違うステージが始まります。

一緒に育てていくパートナーが横にいてのスタート。目新しい人生の始まりに、我ながらワクワクしています。

忘れず持ち歩きたい「自立の心」

パートナーができたと言っても、シングルマザーとして培った魂は健在。

この人がいなくても生きていけるという心の自立、

この人がいなくても生活できるという体(金銭)の自立

これはずっと持ち続けていきたいと思っています。

この自立心があることでパートナーへの執着や不満が解消されると思うから。

わたしがそうだったから、社会的立場の弱い女性やひとり親のことについてもよく考えます。

そんな方たちにも「人と違ってもいいから、自分なりの形で心と体(金銭)の自立をすること」をこれからも伝えていきたいです。

今のパートナーとお別れをする事はもちろん考えてないですが、もし何かしらの理由でお別れをする事があったとしても、自分の心や金銭面の弱さで、相手のせいにしたり、選択したい人生を選ぶことができないのはもったいない。

自分の行きたい道を楽しむために、責任や自立は大切だと思っています。

悔いのない人生を。

作るのはあなた次第です。

ライター/寺田 賀代后

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