このマガジンは「畑のそばに生きる様々な人」と「その暮らし」の紹介を通じて、皆さんと一緒に生き方の選択肢を再発掘していくメディアです。

今回は、物語から生まれるクラフトビールブランドBEERful代表のゆるみな。が連載するコラム第5弾をお届けします。

緊急事態宣言が解除され、少しずつではありますが街が活気を取り戻してきました。

6月は和風名月で「水無月(みなづき)」と呼ばれていますが、「田に水を引く月」という意味から名付けられたと言われています。

秋田県の男鹿半島にある実家に帰省したわたしは、すぐそばの広大な水田に太陽が反射キラキラと光る水面を眺めながら、里帰り出産に向けて体調を整えております。

(地元の秋田の風景。)

畑を感じながら芽生えた母としての意志

お腹が大きくなっていくにつれ、日常での話題がもっぱら「子育てと仕事の両立」になっていく。

母親になるんだなあという自覚が自然と芽生えてくる。

ポジティブな意見と同時にネガティブな意見もちらほら耳にするようになった。

「育児と仕事を両立するのって何かと大変だし忍耐力が必要だよ。」

「遊びも旅行も我慢することが増えるし、仕事にもブレーキかかるよ。」

「独身時代にもっと遊んでおけばよかったなあ。」

わたしのことを心配して経験談を話してくれる人がいることはとても有難いことだ。

しかし、残念なことにわたしはネガティブな話に耳を傾けられるほど人間ができていない。

あなたにとって子育てはとっても大変で、制約が多く、不自由が生まれることだったかもしれない。

けれど、わたしは違う。

我が子にだってわたしの「自由」を奪うことはできない

妊娠して、約10ヶ月。

つわりからはじまり、月一から週一になっていく定期検診。

日々、大きく重くなっていくお腹と付き合ってきてようやく生まれてくるであろう我が子を誰よりも心待ちにし愛おしいことに変わりはない。

「子どものためなら、自分の命を捧げても構わない。」

そう想う親の気持ちも今なら理解できる。

なにせ、命がけで産むのだ。

出産にはたくさんのリスクを伴う。

新規事業と同じように、新しいなにかを世に生み出すという行為にはリスクが伴うものなのだと知った。

そうは言っても、わたしは「わたしの自由」を我が子にだって「束縛」されるなんてごめんだ。

(実家の庭に「ホップ」を植えてみました。)

わたしルールにおいての「子育て」の定義

親子であると同時に、一人の「個」として意志を尊重しあえる関係を築きたい。

独身時代と変わらず、自分の事業をもっと伸ばしたいし、友達と旅行にも行きたい。

もっと知らない世界を見てみたいし、たくさんのことを学びたい。

人としても、母親としても、未熟なわたしだからこそ「子どもを育てる」ではなく、「子どもと共に育つ」という意味での子育てをしていきたい。

(わたしは、わたしの事業をこれからも。)

世に言う「ワークライフバランス」の答えはまだ見つからなかっていない。

ただ一つ確実に言えることは、出産して子どもができたとしても、わたしはこれまでと変わらず私生活と仕事の境界線がわからない、マーブル状の人生を丸ごと愛していくということ。

自由であるために惜しまず注ぐ「敬愛」と「共存の努力」

いくら口では言えても、「自由」を実現することが容易ではない。

それは事業の立ち上げから継続までやっている自分が一番分かっていることだ。

だからこそ子育てだって仕事と同じように「一人」で抱え込まないやり方を模索しようと思う。

パートナーである夫はもちろんのこと、家族や友人、仕事で関わってきた人たちにも助けを乞うつもりでいる。

幸い、周りの人には恵まれている。

それは自分自身が相手に対して敬愛の気持ちを忘れず、共存するための努力を惜しまなかったから。今まで、それはないがしろにしてこなかったという自負がある。

これからも変わらない敬愛の気持ちと共存するための努力を持って、生まれてくる子どもとも共に成長していきたい。

(田んぼと田んぼの間で。決意を込めて。)